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ごくつぶしぶろぐ!

Gokutsubushi's Blog

ぶつ切りの英単語しか通用しないルームメイトとの距離の詰め方について

さあここからだ。ここからが正念場だ。やっと戸口に立った。きっかけはモノにした。

 

今日は10時に起きてしばらくビリビリ動画を見てから昼飯を食い、午後は『ノルウェイの森』を最後まで読んでしまってから夕方ごろにイタリア人とロシア人と北京人と4人で本場の味と噂のイタリア料理店にピザ、いやピッツァを食いに行き、ひとしきり街をぶらぶらしたあと24時に帰寮。

ノルウェイの森』の余韻はまだ残っているからその感想を書きたいし、イタリア人に解説してもらいながらピザもといピッツァを食うのもおもしろかったから書きたいのだけれど、今はそんなことはどうでもいい。

 

ルームメイトと仲良くなりたい。

 

24時に部屋に戻って、すぐPCを立ち上げて『SHIROBAKO』を見始めた。PCをベッドの上に置いてストリーミング再生させたまま放置して洗面所でコンタクトを外し、部屋に戻ったらにわかにルームメイトに話しかけられた。

 

"What is this cartoon?" 

 

来た!と思った。根暗の僕にとって、自分にとって好ましいフィールドで会話をするというのはとても重要なことなのだ。自分にとって興味のない、不得意なフィールドでは積極的なコミュニケーションに打って出ることができないのだ。今まで何度も一歩踏み込んだ人間関係を創出しようと試みてきたが、どれも失敗に終わってしまった。彼の関心は洋楽やスポーツ、僕とは相容れない。関心のある振りをしてみても、結局は会話が途絶えて終わり。根暗は隠せない。

それが今回は向こうから来てくれた!距離を縮めようと、こちらのプライベートな活動の内容をわざわざ聞きに来てくれた!これに応えないのはありえない。

 

ルームメイトとは当初からずっとうまく共生している。彼も僕も互いのプライベートな空間に干渉してくるようなタイプではないので、今のところ共同生活に何のトラブルもない。これからの課題は距離を縮めることだ。ルームメイトには適切な距離が必要なのも事実だが、時間をかけ、違和感のないまま少しずつそれを縮めていくことができればより望ましいとも思う。

 

教科書から落丁してきたかのような彼の英語に、僕もまたゴミのような英語で応える。『SHIROBAKO』の画面を示して説明。

"This is Japanese cartoon, animation. This one is a cartoon about cartoon, they're making cartoon"

僕たちふたりの会話で大事なことは、相手にわかる言葉を吐くことだ。ルームメイトは難しい表現がわからないから、むしろ流暢に喋ってはならない(まあもともと難解な語彙も流暢な文の組み立てもできないが)。相手のわかる単語を相手のわかるように並べる。一歩一歩、平坦な道を確認しながら歩く感じで意志の疎通をはかる。

 

彼は"Japanese cartoon"というのに反応してくれた。

"I know, I know, Japanese cartoon, NARUTO"

これは理想的な展開だ。こうなっては『SHIROBAKO』の話はすまい、日本の有名アニメの話をなんとか広げるのだ。

 

それから僕たちはナルト、ドラゴンボール、ワンピース、ブリーチと有名タイトルを挙げていき、知識を共有していることを確認した。だがここで問題が発生する。この先どう広げていったらいいのか、全くわからない。いくつかのタイトルの知識を共有しているのはわかったのだから、言語の通じる相手だったら作品世界の話に移行してゆけばいい。中国語か英語のできる外人との間であれば、それで確実に深いコミュニケーションを取ることができる。でも彼は中国語ができないし英語も簡単なやり取りしかできないのだ。残念ながら、これでは話にはならない。

 

結局、今日のところは一歩踏み込んだコミュニケーションを取ることができなかった。くやしい。せっかく彼の方からこちらの領域に来てくれたのに、ラオス人も日本のアニメ見てるんだねー、すごいなあ、おどろいたよ、うれしいなあ、なんてことを言っただけで会話が終了してしまった。彼は友達に会いに出て行った。

 

どうしたらよかったんだろう?

根暗だからダメだったのか?わからないけど、たとえ意志の疎通に齟齬があっても「リア充」ならもっとなにかができていた気がする。「リア充」ならもっと盛り上げて、なにかしらの、明日以降にも通用するようなふたりの間の「ネタ」を創出できていたような気がする。それはなんでもいいんだ。ナルトの話でも、ルフィの話でも、悟空の話でも、一護の話でも、なんでもよかったはずだ。なにかの作品に関する質問を振って、なにかしらの回答を引き出して、良かれ悪しかれともかくコミュニケーションを成立させる。そうすれば何かが生まれたはずだ。何も言わなきゃ生まれない何かが、そうすることによって生まれたはずだ。

 

僕の言っていることわかるでしょう?「リア充」は取っ掛かりを見つけて、会話を創出し、人間関係を構築する。今回僕は取っ掛かりを見つけることに成功したのに、その後会話をうまく紡ぐことができなかった。

くやしい。どうしたらよかったんだろう?

彼と仲良くなりたい。もっと強くなりたい。きっかけはできたし、まだ諦めない。根暗はもはや僕の大事な一部分だし(実際根暗なおかげで哲学や文学を噛み締める素養があることは誇りに思っている)、一生治らないかもしれないけれど、それでも世間と関わり、他人と関わりながら生きることは諦めたくない。ここからだ。