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Gokutsubushi's Blog

【映画】『BORUTO ボルト』ここ最近で一番のアニメ・映画。

今更ナルトの映画を見たけど、とっても良かった。本当に良かった。最近アニメを見てもなかなか面白いと思えなくなっていたので、久々にこんなに素晴らしい作品を見て、感動することができてすごく嬉しい。

僕みたいな22歳のいい年した男が見ても充分に純粋に面白いと思える作品だったし、それだけでなく子どもに見せたいと心から思う作品でもあった。

BORUTOが素晴らしい映画だった理由①。エンタメとして出来が良い。キャラクター、ストーリー展開、作画、演出、どれも一級品。冒頭のサスケの殺陣シーンからもう興奮した。

理由②。世代交代というテーマ。少年ジャンプで長年連載されてきた王道漫画のスピンオフだからこそ語れる「世代」の問題を真っ向から描いている点に大きな意義がある。本作のナルトは火影の任務に日々忙殺され、息子のボルトにクソオヤジ呼ばわりされている。なりふり構わず火影になると息巻いていた少年のころとは勝手が違う。父親として、組織の長として、社会的役割を全うし、職務に責任を持たねばならない。
強大な敵との戦いではなく、当たり前かつ圧倒的に毎日押し寄せてくる日常の運営がナルトを疲弊させる。これが少年から大人になるということだ。
少年時代が終わり、気合いで駆け抜けていた昔のようには行かなくなる。しかし息子のボルトにはそれがわからず、妹の誕生日にも家に帰らない父に反発し、嫌悪する。次の世代には前の世代にも今の自分のように少年時代があったこと、それを乗り越えて今教育者の立場にあることが理解できない。これはそのまま昔ジャンプを読んでいた父親世代と、父親を理解せず今ジャンプの物語に熱中している息子世代との関係になる。
世代間の意識の差、無理解、家族の不和。これが映画を通じて描かれ、最終的にちゃんと作者の答え的なものが提示される。本当にいい映画だった。今の日本の時代に根ざした物語だ。社会を反映した物語だ。大人も子どもも「これは自分の物語だ」と思うだろう。

一社目の内々定獲得、からの哲学

人はなんのために生きているんだろう。

ほんと自分アホだと思うんだけど、就活が本格化してきたこの時期に今更こんなことを考えて思索に耽っている。いまは橋爪大三郎大澤真幸の対談『ゆかいな仏教』を読んで仏教について考え中。僕は宗教の中では仏教というかインド思想がいちばん好きだ。

 

先月の4月に晴れて大学4年生になった。そして先月の半ばにまずはとあるコンサル会社に内々定を頂いた。一社目の内々定をもらうとほっとする。うれしい。

そんなふうに就活に邁進しなきゃいけない時期なんだけど、こんな時にもいつもの悪癖が出て、何も考えず就活に尽力することができていない。悪癖というのは「今やっていることの根本的な目的、意味をまず明らかにしないと作業に入れない」という20年来の性。どうしても、スーツを着たり、電車に乗ったりしているときに「あれ?俺いまなんでこの会社の説明会に行こうとしてるんだっけ?」と思ってしまって、気づいたら開始時間を過ぎていて、何もせず帰ったり、ブックオフで本を読んだりという有様。そんなだから興味のあった企業のES締め切りを何度も逃した。日本IBMとか興味あったんだけどWebテストに間に合わなかった。やれやれ。

 

それでいまは業界研究の本に加えて哲学や宗教の本、SFを読んで人生と就職について一日中考えている。あとプログラミングの勉強を始めた。個人のスキルとしても、現代社会について考えるツールとしても、プログラミングをかじることは悪くない。といっても何からやればいいのかわからないので、いまはもっぱらUnityでクソゲー制作に励んでいる。何か作ったら公開する。

 

僕はなぜ生きているんだろう。中学生のころからこんなことばかり考えている。考えてばかりでなかなか行動ができない子どもだった。でもこの分析的な性向は、ある場合には弊害をもたらすけど、たとえば就活においては説得力があり通りやすいESを書くことに貢献していると思う。おかげでまだESが落ちたことはない。とはいえ勤めはじめたらもう目的と仕事にギャップがあってもボーっとすることはできなくなるわけで・・・。

 

 

ゆかいな仏教 (サンガ新書)

ゆかいな仏教 (サンガ新書)

 

 

 2年前に読んだウパニシャッド哲学の入門書。古いし難しいけど詳しい。

ウパニシャッド (講談社学術文庫)

ウパニシャッド (講談社学術文庫)

 

 

『新・女神転生』シリーズの外伝的ゲーム。テーマはインド思想×量子論。神作。ストーリー途中で終わってしまうけど、ちゃんと続編があって、そこでラストを迎える。

DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~

DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~

 

 

 小説版。全五巻。より量子論の要素が強くなった本格SF。こういうのをアニメ化すべきだと思う。ハリウッドで映画化してもいい。

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

 

 

帰国、就活

2015年の12月29日に北京から日本へ戻ってきて、もう丸2ヶ月経った。4月から大学四年生になる。

言うまでもなく就活に奔走している。留学中は就職のことなど一切考えずに毎日本を読み映画を見て気楽に中国人たちと交流していたというのに、あれはなんだったんだろう。帰国したとたんに忙しなく押し寄せるこの就活という波にさらわれてしまった。僕の2015年はもうどこか遠いところに行ってしまったし、中国で過ごした10ヶ月の思い出やそこでの生活の感覚も一緒にうやむやになってしまいそうで恐ろしい。
こういうとき日記をつけていて良かったと思う。日々生活する中で生まれる何らかの観照や思いは、少なくとも僕の場合は、すぐに書きとめておかないと永遠に思い出せなくなる。

さて就活だ。
一つ言えることはスタートダッシュに出遅れたということ。しっかりしてる奴らはすでに選考を終了した外資やメガベンチャーから内定を貰い、本命の商社や他の大手にも3年までのインターンを通してしっかりと唾をつけている。
このスタートダッシュに乗っかれなかったことは正直言って大きな痛手だ。僕は有能でも勤勉でもない。少しでも人より早く動き出すしかなかったのに。
僕はまだ何の先行活動も始めていない。というか業界研究/企業研究すらまともにやってないし、ESやSPI対策もしていない。TOEICHSK(中国語能力試験)も全力とは言いたくない半端な点しか持っていない。まずい。

とにかく今月のHSKに最難関の6級でエントリーしておいた。親の金で受けるのだから絶対に受かりたい。それからTOEICも最低でも800点は欲しい。
それと並行して業界研究/企業研究してエントリーだ。とりあえず3月はそれ。
忙しない。北京に戻りたい。でももう親の金で学校に行くのは終わり。僕の留学は終わったんだ。

読書ノートのすすめ

本を一冊読み終わったあと、その内容をしっかり覚えていられるという人がどれだけいるだろう?
少なくとも僕は無理!


本を一読しただけじゃ弱いと言わざるを得ない。少なくとも僕はそう。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」という新書を購入して、一生懸命に一行一行読み込んでいって、長い時間をかけてやっと読み終わった。さて、本を閉じてタイトルをもう一度見る。…結局なんで潰れないんだっけ?もう忘れちゃった。いつもこんな感じだ。


僕の場合読むだけじゃダメだ。すぐ忘れる。
だから今年から読書ノートをつけはじめた。

これは読書感想文とはちがう。僕一人のためのメモ。

使うのはEvernote

こんな感じで読書のノートをつける。

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例。内田樹「日本辺境論」のノート。

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面白い部分は写メってアプリで線を引く。本に書き込んでしまうと、のちのち人に貸したり自分で読み返すときにまっさらな視点で読めなくなる気がするから。
自分のまとめ、注釈はノートに活字で記す。関連書籍なんかも書く。

読んでインプットして、ノートに書いてアウトプットして、また時間をおいて復習。僕は記憶力が弱いからこれだけやってはじめて多少は頭に入る。
僕はEvernoteを使ってるけど、好きなら紙のノートでもいいと思う。なにか他にいいアプリがあれば教えてほしい。

留学終了まであと20日

12月29日に北京から東京へ帰ることになった。これで留学も終わりだ。

北京から直で東京へ帰ってもよいのだが、そうせずに韓国で10時間ほどトランジット滞在してから帰国することにした。北京でできた韓国人の友人たちが、空港に迎えに来てくれる。彼らとソウルで数時間遊んでから日本へ戻る運びだ。

それから2月ごろにロシアへ行く計画が立った。僕と中国の友人と韓国の友人の3人が、それぞれの国からモスクワへ飛び、モスクワの空港で合流するというちょっと危うい感じの計画。中国人はロシア語ペラペラだからまあ安心だし、僕もウラジオストクへ行ったことがあり、ロシア・モスクワへの興味は尽きない。

 

それと先月の初めに留学先の学校の日本語科の中国人女子大生と付き合うことになった。

あと1か月で帰国するのだから、こんなタイミングで告白して付き合ってくれなんて言うのは無責任かなとも思ったけど、けっきょく告白してしまった。彼女は1年生なので日本語の会話はまだ全くできない。僕らは中国語で話す。中国の学期は秋から始まるから、まだ入学して三か月の18才だ。さすがに若すぎてすこし後ろめたい。

彼女の祖母は戦前神戸に住んでいたのだが、米軍の空爆に家を焼かれて大陸へ帰った。だから日本語を話せるし、日本での生活をとても懐かしがっているそうだ。彼女が日本語科を選択したのも、祖母の影響が大きい。日本語を勉強していつか神戸へ行き、祖母の家のあった場所を訪ねたい。彼女がそう話すのを聞いていると、なんだか胸がいっぱいになった。抗日ドラマばっかりのこのクソ中国で、こんな話を聞くなんて思っていなかった。彼女は『火垂るの墓』を見ると祖母のことを想うそうだ。空襲で家を焼かれた祖母の少女時代を。抗日とか、反中とか、そういうくだらない枠組みを超えた悲劇の共有が『火垂るの墓』によってなされている。日本の文学やアニメーションの役割の大きさに身震いした。そして彼女と出会えてよかった。

 

あと20日。

二人部屋に女を連れ込みセックスするルームメイト

僕は二人部屋に住んでいるのだが、僕のルームメイト(フランス人)が部屋に中国人の女を連れ込み、僕が寝ている横でその女とセックスして、翌日の朝は二人で長時間部屋の風呂に入った。そのせいで奴とすこしつまらないいさかいを起こしてしまった。

この前は韓国人の女と芝生の上で青カンしたとかなんとか言ってたが、まさか二人部屋で、しかも僕の寝ている横でやってくれるとは、これは予想できなかった。
女の寮の門限が過ぎてしまって朝まで帰れないから部屋で寝させてもいいか、という旨のメッセージが奴から来て、たしかに快く了承した。寝るだけなら別に構わない。だけど、まさか僕が隣のベッドで寝ているのにおっ始めるとは思わなかった。ただ抱き合って寝るだけだと思った。

地獄のような時間だった。
互いのベッドの間に勉強机があるので、視界は遮られ、お互いの姿は全く見えない。声を抑えているのは伝わってくるが、それだけに女の喘ぎ声が気になって仕方ない。さぐりさぐり体をまさぐって服を少しずつ脱いでいるのが音でわかる。こちらは身動き一つできない。本当なら咳払いをして、いやできるなら立ち上がって抗議したいが、さすがにそれは野暮すぎる。ここは僕達二人の部屋で僕には寝る権利があるとはいえ、それはどうしてもできなかった。
結局眠れないまま、朝の五時まで小声のフランス語と喘ぎ声と衣擦れの音に耐えていた。本物の地獄だった。こんなに辛い時間の過ごし方をしたのは腸のヘルニアの手術入院以来だ。
タダで女の嬌声が聞けたんだからいいじゃないか、こういうシチュエーションは結構興奮するんじゃないか、と思う人もいるかもしれない。断じてNOだ。まず女が可愛くない。嬉しくない。それに僕はルームメイトの性生活など知りたくなかった。はじめて友人知人のセックスを間近で感じたけど、知り合いのセックスってすごく萎える。近しい者の性的な話題は、生理的嫌悪感を引き起こす。

翌日の朝、外へ出てトイレのため部屋へ帰ると奴と女が二人で風呂に入っていた。浴室からフランス語の笑い声と水の音が聞こえてくる。昨夜から怒りを溜め込んでいたが、さらに上塗りしてくれるとは思わなかった。出てきたら怒ろうと11時から20分待ったが一向に出る気配がなく、トイレも限界だったため、浴室をノックして英語で静かに抗議した。僕「いつまで入ってるつもりだ?」奴「一日かな?」そして笑い声。僕「オーケー、I'm a little bit angry. This is the last time you bring a girl to the room, ok?」それだけ言って部屋を出た。トイレは外で済ますしかない。

その日はどうしても奴の顔が見たくなくて、夜まで外を散歩した。本が読みたかったのに怒りのせいで全く読めない。せっかくの土曜だから黒澤明映画を一本見ようと思っていたのに、これもムシャクシャするせいで全く見る気分になれない。怒っていると何も手につかない。
そして僕は怒るのが苦手だ。優しいのではなく弱い。相手が不条理なことをしてこちらが被害を受けたときに、即座に迫力をもって抗議することができない。その場はなんとなく流してしまって、相手のいない場所でルサンチマンを溜め込んでしまうのだ。ちなみにニーチェの「超人」思想とは、簡単に言えば、まさに抗議すべきところできちんと即座に声を上げることのできる人のこと。こうなりたい。

日本人なら泣き寝入る人も多いと思うが、なんとか声を上げた。迫力をもって怒ることはてきなかったが、とにかく頑張った。
夜、部屋に帰り英語で2時間ほど言い争った。言いたいことはまあほとんど言ったし、椅子も蹴った。奴とふたつの約束をした。僕が帰国するまで奴は二度と部屋に女を連れ込まない、もちろん僕はいくらでも連れ込んでいい。奴はもう長風呂をしない。

今でもイライラしてはいる。奴のおかげで貴重な土曜が無為に終わり、僕が怒ったことで奴との関係もすこし気まずくなり会話が減った。该死的法国人,ファッキューフレンチ。今まで日本人が一番HENTAIだと思っていたが、それはAVや漫画の話だ。一番の異常性欲者はフランス人。
こうして僕の中にフランスへの偏見が生まれた…というのは冗談。
ある国の人間は外国人に対してその国を代表していて、そいつが良い奴ならその国自体のイメージが良くなるし、悪いやつなら国自体のイメージが悪くなる。僕は他にもフランス人の友達何人かいるし、それにルームメイトに対してもそこまで骨の髄まで嫌いになったわけじゃない。これから気をつけてくれればそれでいい。

首都師範大学北一部図書館の夜

現在22:15。
どうやら二階以上のフロアは22時に閉まってしまうらしく、誰もいなかった。エレベーターも止まってしまったから階段で四階まで行ったのに無駄足だった。


今日はちょっと長い時間ネットを見すぎて、よくないフラストレーションが溜まってしまった。ずっとネットに接続していると、色んなことにイライラが募る。大きな物語に夢中になり熱中する。


図書館。一階に学生が集まっている。

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向こうの椅子と机のある一角は満席。そして、すごいところが、席のない学生たちが教材を読みながらフロアをうろうろ歩き回っている。みんな外国語の文献を取り憑かれたように音読しながら、歩き回ったり立ち止まったり。椅子に座って教材を読む者もいる。

日本の図書館では見られない光景だ。
たぶんテストが近いのだろう。二階が閉まってから、残った学生が一階に降りてきて、フロアで教材を読んでいるのだ。
寮に戻れば勉強は捗らない。一部屋に6人〜8人いる。中国人はきっと消灯がかなり早いだろう。だからこの明るくて暖かい図書館の一階に残り、ここで声を出してテスト範囲の学習に励んでいるのだろう。

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さっきから熱心に日本語を読み上げている女の子がいる。日本語の文のアクセントはかなり難しい。何度も何度も音声を聞きながら音読している。
彼女の姿を見て、苦心しながら日本語の文を音読する声を聞いていると、すさんだ心が癒やされてゆく。日本語という外国語に、大学の教科書に、一生懸命に取り組んでいる二十歳足らずの中国人の女子大生。
北京に来て、外に出て、彼女のような中国人に出会うと、ああよかったと思う。これでこれからも生きていける。がんばろう。